当社の閉鎖循環式陸上養殖システムでヒラメを養殖した事例です。1年を通して安定した環境で飼育できるため、これまでのかけ流しや半閉鎖型の養殖と比較すると約1.5倍の速さで成長します。大きさだけでなく、天然魚並みの美しい姿と美味しさが特徴です。
年2回の収穫が可能
掛け出し式や半閉鎖循環型陸上養殖システムでは約1年かかる
食品としての安全性が高い
大腸菌が検出されず、寄生虫の発生(ヒラメでは筋肉クドア症)がなく、魚病の予防・治療を抗生物質など水産薬を使わずに出来るので、とても安全
飼育水が無臭で身に土臭さ、カビ臭さがない(ジェオスミン臭)
硝酸が少ないので、雑菌の発生が少ない
美しい外見(特にヒレ)
水中細菌の一部はヒレの表面で繁殖してボロボロにする
陸上養殖の種類は、掛け流し式(海沿い・地下水)・半閉鎖循環式(海沿い・地下水)・閉鎖循環式(飼育水槽内)とあります。当社の製品は、従来の閉鎖循環式にない、海産魚介類に対応した閉鎖循環式システムです。6畳ほどの設置スペースがあれば、飼育水槽1トンのシステムを多種多様な業種において導入することが可能です。
・陸上養殖事業を開発・目指したい事業者
・新規事業で陸上養殖を始めたい企業
・養殖事業を用い、独自の付加価値を生み出してビジネス化したい企業
・畜養(活魚の在庫化)で収益化を図りたい事業者
・畜養(活魚の在庫化)を行い、独自の付加価値を生み出してビジネス化したい企業
養殖水は循環させずに、海沿いの海水や地下から吸い上げてそのまま排出する方式です。循環させることなく常に新鮮な水を供給し、排出された水は処理されずに外部に排出されます。
◎メリット
・初期投資が少なくてすむ
・生産コストが安い
△デメリット
・取水と排水の許可が必要
・排水を垂れ流している
・温度調整費がかかる
・地下海水でない場合、赤潮の発生時に取水ができない
ろ過システムを設けて水を循環させながら養殖を行う方式です。養殖水を浄化処理機能が付いた閉鎖循環式設備で水の浄化し、一部は飼育水として再利用します。掛け流し式に比べ、汲み上げる海水は少なく済みます。
◎メリット(掛け流しと比べて)
・水質管理が行いやすい
・水温調節のランニングコストが抑えられる
△デメリット(掛け流しと比べて)
・設備のイニシャルコストが高い
・病原菌が温床化するリスクがある
・かけ流しと同様のデメリットがある
汚れた水はろ過・殺菌し、飼育水として再利用します。海水を汲み上げないため漁業権は必要なく、陸上で養殖することが可能です。生物ろ過槽の匂いが飼育槽に移るため、出荷前は臭い抜き水槽が必要になります。
◎メリット
・どこでも設置が可能
・排水がほとんどないため環境に優しい
・食中毒のリスクが極めて低い
△デメリット
・装置コストが高く運用が非常に難しい
・飼育水にカビ臭さと土臭さがでる
・アワビやウニなど海産無脊椎動物の飼育が難しい
蓄積する硝酸を安全に除去することを可能した好気的脱窒装置と、泡の力で水溶性タンパク質や微粒子を取り除く泡沫分離装置を組み合わせた閉鎖循環システムです。嫌な臭いはないため、健康な魚をそのまま出荷できます。
◎メリット
・場所の制約を受けない
・おいしく美しい魚を飼育できる
・小規模なスペースでも導入が可能
・魚の成長が早く短期間で出荷できる
△デメリット
・装置コスト、生産コストが高い
当社独自の閉鎖循環式陸上養殖システムは、高い安全性を保ちながら天然物より安定供給ができます。大きさや形、臭いといった品質面においても、他の養殖物より優れています。長期飼育可能で在庫化できるため、新しい付加価値を生み出します。
水換え不要で排水をほとんど出さないため環境にやさしい
飼育水のニオイがないので魚に匂い(geosmin臭)がなく、出荷前の匂い抜きが不要。加えて、魚の姿、特にヒレも天然魚なみに美しく、美味しい
飼育水は海洋深層水なみに清浄で大腸菌も検出されず、水産用水など様々な基準をクリア。寄生虫のリスクもなく、抗生物質などを使わないため生産された魚介類は食品として非常に安全
魚病の予防や治療が容易なため、生残率が高く安定生産が可能
労働環境に危険がなく、装置の扱いも簡単なので、養殖未経験者でも維持・管理が容易
コンパクトなサイズから製作できるので、ビルや店舗の空きスペースに設置可能
閉鎖系陸上養殖でウニやイセエビ、アワビを長期に変えるのはこのシステムだけ
活魚介類を蓄積し在庫化できる
閉鎖循環システムは、持続可能な養殖業のモデルとして注目されています。環境・食・雇用・地域における問題を閉鎖循環式陸上養殖を活用して、さまざまな社会課題を解決しながら持続可能な社会を作り出すことが可能です。地域活性化ならびに養殖事業を基軸とした農漁業の6次産業化モデルを促進します。
閉鎖循環式陸上養殖システムは6畳ほどのスペースがあれば設置が可能です。廃校や地下空間、会社の空きスペースの活用した新規事業、ホテルチェーンや料亭では、生け簀で活魚の安定供給など、新規事業や社会問題解決に向けてさまざまな活用ができます。
畜養
道の駅、蓄養センター、活魚の中継基地、消費地で活魚介類の在庫化
教育
食育、生物部で海産魚介類飼育、廃校で海水魚養殖
陸上養殖
魚だけに限らず無脊椎動物も可能
禁漁期間や季節をずらした生産、都市の地下空間の活用
研究
ゲノム編集を行った生物の閉鎖系で飼育実験
多大なコストが掛かった無脊椎動物の飼育実験
活魚生け簀
レストラン、料亭、観光地、高級ホテルのバックヤードに設置
水福連携
力の弱い人、障害のある人でも扱える
活魚の中継基地、消費地で活魚介類の
在庫化を図る
畜養センター
・町の消費地に畜養センターを設けることで、いつでも活魚介類が手に入るため、急な予約にも対応ができる。
・飲食店を活用して、町おこしやフードロスの問題を解消できる。
リカバリー畜養
・旨味成分イノシン酸のもとになるATP(アデノシン三リン酸)量が回復し、旨味をアップさせることができる。
活魚水槽
・従来の店舗水槽は、ろ過設備が十分でないため、時間の経過に伴い飼育水が異臭を放ち、水質が著しく低下してしまう。その影響で飼育している魚介類に臭いが移ったり、魚の姿がボロボロになったりと、活魚の品質低下が問題視されていた。
・本システムでは、外洋水並みに清浄な飼育水で魚をキープできるため、嫌な臭いのない、美しい姿の魚介類を在庫化しながら展示することができる。
子どもから大人まで閉鎖循環式
陸上養殖を体験できる
食育
・魚介類は半年ほどで食用サイズに成長するため、校舎の一角で陸上養殖を体験し、命を頂く感謝の心を学ぶことができる。
生物部
・海沿いの学校に限らず、海に面していない内陸部の学校でも海産魚介類を自由に飼育し、動物福祉に対応した研究が可能になる。
家族で漁業体験
・地域センターなどに当システムを設置し、家族で陸上養殖を体験しながら、漁業、環境、食について学べる。
環境教育
・山間部でなくとも、蛍の養殖を活用して環境教育ができる。
・アクアポニックスで物質循環を理解する。
新規事業で廃校などの未利用施設を活用
畜養センター
・魚類の養殖に限らず、無脊椎動物の養殖ができる。
・季節による品質の変化がないため、1年を通じて安定供給が可能。
・旬ではない季節や禁漁期間などで品薄の時期は、高値で販売できる。
・消費地である都市で養殖することで、輸送コストが削減につながる。
飼育実験のリスクとコストの抑制
・ゲノム編集など、実験魚が外部環境に流出するリスクをかかえている研究を、内陸部の安全な場所で行うことができる。
・水質の維持に非常にコストのかかった海産の魚や、無脊椎動物の飼育が手軽にできる。
・希少種や、絶滅危惧種の種苗生産技術の開発に利用できる。
・病原体の外部流出を防ぐなど、魚病研究に利用できる。
・近い将来に求められる動物福祉に対応する実験体制を構築できる。
新規事業として廃校など未利用施設を活用
観光アクアファーム
・ブドウ狩りやいちご狩りなどの観光農園や、ワイナリーや酒蔵とのコラボレーションが実現可能。
ホテル、旅館
・高級食材を売りにしたプランで予約を取るが、予約日に台風や嵐などがあってメインの魚介類が手に入らないリスクがある。バックヤード蓄養は、一定の在庫をキープできるので、安心してお客さまをお迎えできる。
力の弱い人、障害のある人でも扱える
・農福連携(農業と福祉の連携)は多くの事例があるが、水福連携は危険な海が仕事の場になるため、行うことが難しかった。
・このシステムはどこにでも(町中にも)設置でき、維持管理も簡単なため、障がい者や高齢者でも水産養殖に携わることができる。
・心の障がいを持つ子どもに、水や生き物に触れる機会を設けて、癒しの場を与えられる可能性がある。
補助金を活用し必要な設備や技術の導入することで陸上養殖の規模が拡大し、生産能力を向上させることができます。陸上養殖業は、漁業や水産加工業と密接な関係にあります。陸上養殖業が成長し、生産量や雇用の増加が見込まれると、地域の漁業や水産加工業も活性化にもつながります。また、陸上養殖施設の建設や運営に伴う需要の増加によって、建設業やサービス業などほかの産業にも良い影響を与えます。
環境・食・雇用・地域の問題を好気脱窒式閉鎖循環システムの活用で、生態系への悪影響を最小限に抑えられるなど、さまざまな社会課題を解決しながら持続可能な社会をつくることが可能となります。導入のコストはかかりますが、補助金を利用して導入した事例もあります。
※当社は補助金の申請補助業務は行なっておりません。
資料のご請求や製品・サービスに関するお問い合わせは、
下記の電話かお問い合わせフォームよりご連絡ください。