嫌気脱窒と好気脱窒を使った閉鎖循環式陸上養殖システムの比較
簡単に説明すると、微生物の力を借りて硝酸を除去することです。脱窒は自然界では様々な場所で起きていますが、酸素のない条件で起きるものを嫌気的脱窒と言い、主に都市下水の処理などで普及しています。いっぽう酸素のある条件で起きる脱窒を好気的脱窒といい、空気中の酸素を使うことで嫌気的脱窒より装置がコンパクトで、簡単に硝酸を除去します。
好気的脱窒のメリット
•環境負荷軽減:排水がほとんどなくなり、養殖に伴う汚れを全て回収できるので、養殖に伴う環境負荷を最少にできます。このように脱窒技術は、持続可能な魚介類養殖を行う上で重要な要素です。
•柔軟な場所選定: 取水や排水の場所を選ばないため、街中のビルや駅・空港などでも魚介類の養殖や畜養が可能です。
•天然魚並みの高品質:養殖・畜養された魚介類は天然魚のようにヒレや姿が綺麗で、養殖魚特有の臭い（ジェオスミン臭）もなく、活け造りや寿司にも利用できます。
•新たな飼育対象: ウニ、アワビ、サンゴ、エビなどデリケートな無脊椎動物や海藻の養殖・畜養が可能になります。
•成長促進: 常に低い硝酸濃度を維持することで、魚介類の成長が速くなります。例えば、ヒラメはかけ流し式陸上養殖に比べて倍速で成長します。
•観賞魚の繁殖: 難しかった観賞魚の繁殖も容易になります。
魚介類の養殖では水中に餌の残りや糞・粘液などの汚れが大量に存在します。泡沫分離装置は泡の力で水中の汚れを除去する装置です。水溶性の物質をよくとるので、砂ろ過やドラムフィルターに代わって広くわれるようになりました。当社ではコンパクトで、コスパとメンテに優れたニードルホイール式を採用しています。
•汚れの除去:物理フィルターでは除去できない水溶性の有機物などの除去に優れます。
•微生物の減少:脱窒装置と相まって水中の微生物を激減させます。そのため魚病の予防、養殖魚特有の臭いやボロボロのヒレをなくし、商品価値を高めるのに役立ちます。
•海水・淡水の両方で効果的:海水で良く機能しますが、高密度養殖する場合には淡水で使ってもかなりの汚れ除去効果が期待できます。
•二酸化炭素の除去:水中の酸素供給だけでなく、二酸化炭素の除去にも働きます。魚介類は二酸化炭素排泄するので高密度養殖では、水中の二酸化炭素が高濃度になります。高濃度の二酸化炭素は鰓での酸素吸収を妨害し、魚介類の成長や健康を損ねます。
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